今週、父が還暦を迎える。
妹夫婦と相談して、
来月の頭、温泉で1泊してお祝いするように
なんとか手配出来たので
「こんなもんで良いだろう」
くらいにかまえていた。
(週末で、しかも秋の観光シーズンで
 この辺の温泉も高いわ、部屋空いてないわで
 結構無理行って入れてもらって、それでも
 痛い出費なのだ)

昨日、実家に顔を出したら
テーブルの上に巻いた紙。
紙というか、横断幕?
広げて見ると
「●▼×さん、還暦おめでとう!
 H14.9.20 職場勇士一同」
と書いてある。
ゆうに2メートルはありそうな横断幕に、
その横に品の良いシャツも置いてあった。

父は”クチだけ番長”ではあるが、
年下の面倒を見るのが大好きな人だ。
飲みに連れて行ったり、仕事面でも若干顔がきいたので、
人事面で動いてあげたり、相談に乗ってあげたり。
私の後輩が父の下で働いているのだが、
いつも、「この太さんのお父さんには良くしてもらってる。今年度で定年だけど、かなり盛大に
送るつもりだからね!!お世話になったよ、ホント」
とお世辞も入ってはいるだろうけど、
いつもそう言ってもらえるので、
単純に娘としてはうれしい限りである。
ただ、母は若い頃から、そんな父を
「外面ばっかり良くて。交際費だって馬鹿にならない」
って言って怒っていたけど。
これって、少し社会に出てみないとわかんない事かも
しれない、と思う。

ただ、命令だけしていればいい上司なんて
下のモノだって付いて来ないと思うし。
私自身、管理職になった時、
本当に苦労したし、実感したもの。
”気に入られたい”だけと言われたらそうかも
しれないけど、
それだけじゃない、人間対人間が作る職場だからね。
仕事中の一線は大事にしながらも、
後輩達の精神的な部分とか
(若い先生は彼氏とすったもんだしただけで
 色々、顔に出たり、仕事手につかなかったりしたもんです。私もしかり・・)
ケアするのも、察知するのも、必要だと思ったし。

そんな訳で父は
私達を育てる為に働きながら、
少々の人望を得ていたということを
私は定年前にして改めて知るコトとなったのです。

どうも、父には
「なんだかさんの送別会だ」
というお誘いだったんだそうで。
「会場へ着いたらビックリよ!!」
とすっごく喜んでいました。
「ちゃんちゃんこも着せられて、
 プレゼントでもらったこのシャツを
 火曜の出勤の時、着て来いと言うのよ〜!」
とその顔もうれしそうでした。

そこで、母は
「お父さんに茶は似合わない。いつも紺系なんだから、爺さんくさいっしょ」
とか言うから、可愛くない。

普段、母が紺以外を買って来ると
父は着ないらしいから言ったんだろうけど。
このプレゼントに父は
「ちょっと地味かな〜?」
と言いつつも、その気持ちがうれしいんであろう、
まんざらでもない様子。

私もだから、
「そろそろこういう色でも落ち着いた感じに見えると
思うよ!!」
とフォローしてあげた。
着て行く気マンマンになったようだ。

で、ヒト通り今回の抜き打ち還暦祝い話を
終えて、
ダーちんと2人、
「ヤバかったね。他人様でさえ、あそこまで
 祝ってもらったのに、うちらったら
 温泉いっぱいだ、高いだ、で一瞬”その辺で飯食って終わり”にでもしようってよぎったじゃん?!
白状な娘と婿達だ!!って思われるところだったよね!!」
と・・・・。

ま、祝う心の大きさは値段でも形でもないと思うが、
こうやって長い間私たちのために働いてくれた父が
イヤな顔せず、仕事へ通っていたのは、
中にはムカつく同僚もいただろうけど、
父を理解してくれる方たちにもその倍くらい恵まれて
過ごしてくれたんだと思うと、
感謝でいっぱいです。

私たちもめいっぱい父の還暦を祝うべく、
妹たちと再打ち合わせしました。

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